病院って本当に独自のルールばかり。
何その言い方?と思う言葉や、そんなの作業効率悪いよ。
なんて思う不思議な決まり事。
看護師として働いていると、こういった疑問の連続で
それだけで疲れてしまいます。
しかし、その意味や、何故そうなったのかを理解出来ると、ちょっとした豆知識として、楽しくもなるものです。
今回は、病院の紹介状の書き方の内、封筒に記載してある、「御侍史」や「御机下」についてお伝えしていきます。
病院の紹介状の書き方は?
看護師が紹介状に触れる時は、基本的に患者が転院する際に、家族や本人に渡す時です。
多くの病院では、医師が作成した紹介状を、医療事務さんが受け取って、正しく封筒に入れこんで、看護師の手元に到着する事が多いです。
しかし、医療事務さんが不在の時または、そもそも病棟に事務さんが居ない職場においては、医師が看護師の手元に
なんて置いていく事が多々あります。
私も休日の勤務の時には、書類の最終確認を行ったりするのですが、封筒に入れる際に、「なんて書けば良いんだっけ・・・?」
なんて咄嗟に分からなくなる事がよくあります。
しかも、病院の書類の記載って、普通の職場と違って、独特な言い回しの物が
非常に多いんです。
その為、病院でよく見られる、馴染みのない言い回し、言葉を理解して、記載する事も、看護師に求められるお仕事のひとつだと思います。
さっそく見ていきましょう。
御侍史と御机下の読み方と意味は?
【御侍史】
これは、「おんじし・ごじし」と読みます。
今のご時世、「患者の紹介状でござる。」的な
言い回しでもするの?と
思わず突っ込んでしまいましたが、これにはこんな意味があるんです。
へー。そうなんだー。
文字に込められた意味はさておき、そもそも、相手方の先生に直接のお手紙ではなく、そのお付きの人に対するメッセージだったんですね。
つまり、本来であれば、個人営業のクリニック宛の紹介状であれば、この文言は不要!のはずですが、今でもなんだか丁寧だから。
という理由で、ほとんどの確立で使用しています。
次に御机下についてです。
【御机下】
これは「おんきか・ごきか」と読みます。
はい。あながち間違いではありません。
この言葉はこんな意味があります。
いかにも、先生は神様!という、昔ながらの風潮が残された、日本らしい言い回しですよね?
今でこそ、患者も医師も、病院に居る者に上下はなく、みな平等といった雰囲気に変わっていますが、それでも尚、上級医を敬い、その存在を立てるような言葉の使い方が、根強く残っているんですね。
実際の現場での活用
ここまで、二つの言葉の意味と、その成り立ちを説明しましたが、使いかたのまとめです。
「御侍史」は、別の病院に転院する際、相手方の先生に対して敬意を表して
お付きの方に向けてお手紙を出す方法です。
なので、先生から転院や退院後の紹介状を渡された時には、
「〇〇病院 担当医 御侍史」と記載しましょう。
「御机下」に関しては
別の病院に行って直接机の下に入れる訳ではないので、例えば、同じ病院内で
上級医へお手紙を作成した際、作成した医師(部下)が、上級医に対して、敬意を払った表現として記載します。
「〇〇先生 御机下」
この様に記載して、お渡しすると、送り主のさり気ない配慮が見受けられ
昔ながらの考えを持った上級医には好感を、得るでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
病院で普段良く見かけるけど、その意味はよく分からない。
といった言葉やルールって、この他にも沢山あると思います。
でもそんな些細な事でも、ちゃんと理解して使用出来ると、普段のお仕事もちょっとだけ楽しく取り組めるような気がします。
今後も、現役看護師の病院内の豆知識と称して、情報を発信出来たらと思っていますので、楽しみにしていて下さいね。